楽天モバイル1,000万回線突破
2025年12月25日に楽天モバイルが1,000万回線突破したという報道がありました。
この記事では今後楽天モバイルが、どのような戦略をとっていくのか色々な観点から考察してみたいと思います。
2024年4月プラチナバンドを発射開始
楽天モバイルがプラチナバンドを取得したと聞いて、「これで電波も安定するかな?」とめちゃくちゃ期待していたんですが、正直なところ 電波塔の増設はほとんどなく、パートナー回線が終わった地域では圏外になったり、電波が不安定になったという声も多かった んですよね。
私自身も楽天モバイルを長年利用していたので、「プラチナバンド」とちょっと期待していました。楽天モバイルは繋がりさえすれば、非常に満足度が高いからです。
しかし、2024年6月から商用開始されましたが、待てど暮らせどプラチナバンドが活用されることはありませんでした。
プラチナバンドとは?
スマホや携帯でよく耳にする「プラチナバンド」ですが、実は 700MHz前後の低い周波数帯のこと を指します。
周波数が低いとどうなるかというと、電波が 遠くまで届きやすく、建物の中や山間部でも入りやすい 特徴があります。
逆に、周波数が高いと速度は出やすいですが、壁や距離に弱くて電波が届きにくくなるんですね。
だからプラチナバンドを持っているキャリアは、地方や山間部、ビルの奥でもつながりやすい というメリットがあります。
楽天モバイルがプラチナバンドを取得したことは、今まで圏外になりやすかった地域での通信改善に期待できる というわけです。
なぜプラチナバンドが活用されなかったのか?
私はこれを「電波塔を作る設備投資をケチっている」と思っていました。KDDIへのローミング費はかさむはずですから、楽天モバイルとしては一刻も早く自社回線を使いたいはず…。
「おそらく、衛星からプラチナバンドを飛ばすつもりだな」と予測していました。そうすれば設備投資を抑えつつ、全国にエリアを広げることができます。
実はニュースでも報じられており、楽天モバイルの三木谷浩史会長は、 2026年に予定されているスマホと衛星の直接通信サービスで プラチナバンド(700MHz帯)を活用する計画と語っています。 提供開始時期は2026年第4四半期ごろとされています。 出典:ケータイ Watch
KDDIローミングの終了予定時期(2026年9月)とも重なる点も、現実味があります。
まだ実現前なので断定はできませんが、 これがうまくいけば、一発逆転で全キャリア最強につながるかもしれません。
とはいえ帯域が十分ではない
楽天モバイルがプラチナバンドは 帯域(電波の容量)が十分とは言えません。
プラチナバンドはつながりやすさに強いですが、利用できる帯域が狭いと、 たくさんの人が同時に使うと速度が遅くなる という問題があります。
実際、ドコモがかつて試算した資料によると、700MHz帯の帯域幅(約3MHz)でも理論上は 下り最大30Mbps程度 が可能で、約 1,100万契約まで収容可能 とされています。
ただしこれはあくまで 理想的な条件での理論値 です。都市部や駅などトラフィックが集中する場所では、帯域不足が目立つこともあります。
つまり、楽天モバイルのプラチナバンドだけでは 大規模なトラフィックを完全にカバーするのは難しい のが現状です。1,000万回線を突破した今、プラチナバンドだけに頼るとすぐにパンクしてしまう。だからこそ5G SAやAIによる負荷分散が急務だと考えます。
5Gはどんな対策をしているのか?
Sub6エリアの大幅拡大
- 関東地方:2024年1月比で2.1倍に拡大(当初計画の1.6倍を上回る成果)
- 九州・沖縄地域:沖縄県で約2.0倍、福岡県で約1.1倍に拡大
- 中国・四国地域:山口県で約1.4倍、その他地域で最大1.1倍に拡大
- 2025年末まで:1万局以上の基地局を追加設置予定
基地局の強化
- 4G・5G合計の屋外基地局数:9万4,000局(2025年時点)
- 東京都心部では5G基地局を増設し、混雑時のつながりやすさを改善
- 電波出力改善を実施し、広域カバーを実現
基地局の整備をして、エリアの拡大をはかっています。5Gは障害物に弱いので、主に屋外のトラフィック低減に活用されていくと考えます。
🚀5G SA(スタンドアローン)の商用展開
2026年に5G SA開始予定
楽天モバイルは、現在のNSA(ノンスタンドアローン)方式から、5G独自のコアネットワークで構築されるSA方式へ移行します。
5G SAのメリット:
- ⚡ 超低遅延通信の実現
- 📶 ネットワークスライシング対応(用途別に仮想的にネットワークを分離)
- 🔒 信頼性とセキュリティの向上
これまでの5G(NSA)は「4Gのアンテナがないと5Gの通信を制御できない仕組み」でした。G SAになると「5G単独で動ける」ようになるので、4Gに頼らず5Gだけで通信できる=5Gのポテンシャルをフル活用できます、
AIによるネットワーク運用の最適化
楽天モバイルは、AI技術を活用したネットワーク管理を推進しています。
AI活用の具体例:
- 🔍 自動監視・自動修復:問題を検知し、基地局に向かわずに自動解決
- ⚡ トラフィック最適化:4Gと5G基地局間でAIが自動的に負荷分散
- 🌱 省エネ化:5G基地局の電力消費を最適化
- 👤 カスタマーサービス:AIエージェントによる顧客対応
これらAIの活用が具体的にどう役立つか説明してきます。
ネットワーク運用のコスト削減(モバイル事業)
楽天モバイルが最もAIの恩恵を受けているのが、基地局の運用です。
消費電力の削減: AIが通信量を予測し、基地局を制御する技術(RIC)により、ネットワーク消費電力を約20%削減しています。
運用自動化: 5Gネットワークなどの構築・運用において、AIとソフトウェアによる自動化率が77.5%〜80%に達しています。
これらによって、低価格の料金を維持することができているんですね。ユーザーにとっても、業務の効率化にとってもメリットしかない話ですね。
業務効率化による削減
社内での生成AI活用が非常に進んでおり、これが直接的なコストカットにつながっています。
社内業務時間: 全社員の85%がAIを活用し、1人あたり週平均4.9時間の業務時間を削減しました。
カスタマーサポート: コールセンターやチャットボットへのAI導入により、問い合わせ対応の80%を自動化し、オペレーター人件費を約50%削減した事例があります。
こちらはもっとも大きなコストとなる、人件費のカットにも影響力は大ですね。カスタマーサポートは賛否が分かれるかもしれませんが、形式的なやり取りで完結することに人件費を割くのはもったいないですからね。
まとめ
楽天モバイルは「繋がりにくい」という最大の弱点を、2026年に「衛星」と「AI」という飛び道具で一気に解決しようとしています。1,000万回線突破はあくまで通過点。2026年、プラチナバンドを宇宙から降らせ、AIが自動でネットワークを最適化する未来が実現すれば、既存3キャリアを脅かす真の「最強キャリア」へと化けるかもしれません。これからの楽天モバイルの進化に目が離せません。











